浦秋田（うらあきた）は、秋田県によく似た異世界です。まるで秋田の地理が裏返った地形をしているため「裏秋田」と呼ばれることもありますが、本来は「浦」の字が示すとおり、周囲が海に囲まれた＿あるいは他県に隣接せず自給自足が可能な閉じた世界であることの象徴かもしれませんが＿“秋田の向こう側”に相当する「ニライカナイ」のような世界です。向こうからすればこちらはさしずめ「裏浦秋田（うらうらあきた）」というところでしょうか。どこにあるかはわかりませんが、秋田県の金浦（にかほ市）・大浦（由利本荘市）・北浦（男鹿市）などといった「浦」のつく土地と道路が時に繋がることがあると考えられています。

　浦秋田は、理想郷・桃源郷とも称される“超美の国”です。住むものは皆正義にあふれ、よってホジナシはひとりもおりません。当然だじゃく組合も存在しません。年を通じて日照時間も長く、とても豊かで美しく実り溢れる土地に、美男美女らが明るく正しく健康に住み暮らす素敵なところです。
　ただし唯一、「クレーガ」を除いては。

　浦秋田はとてもよい所です。しかし「光」があれば当然「影」もあるようです。良いところがゆえに、いや良すぎるがゆえに、そこに生じた影はとてつもなく恐ろしい存在となって姿を現しました。秋田にナモミハギが住むがごとく、浦秋田にはクレーガという邪神が棲んでいるのです。クレーガは、浦秋田の全ての「善」と釣り合うほどの大きな「悪」を背負って存在し、人々を脅かしているのです。しかし、善良な浦秋田の人々はそれでも悪に立ち向かい、この邪神を追い払う努力を重ねています。そしてクレーガは、より棲みやすい場所を探すために、私たちの住む世界・秋田県に目を向け、足を踏み入れてきました。目撃者の話によれば、それはまるで「真っ黒いネイガー」のような姿をしていたそうです。

（現在確認中です、まっててね）

　しかしながら裏を返せば、クレーガにさえ気を付ければ、浦秋田は極めて健全です。あるいはどこかにひとつ弱点を意識することで、油断をせずに、むしろ健やかに暮らせるのかもしれませんし、さらなる努力の源にもなるのかもしれません。無病息災よりも一病息災、魔除けのための魔でしょうか。秋田の話じゃありませんが、かの日光東照宮は魔を呼ばぬようにと完璧な構造を避けて、わざと一本、柱の模様を逆さまにしている、と修学旅行の時に聞いた記憶があります。『○○中学校修学旅行隊は無事日光に到着しました』というやつですね）

　ちなみに浦秋田のシンボルは、県の鳥：オオセッカ、県の木：ユビソヤナギ、県の魚：クニマス、なんだそうです。以下は浦秋田ホームページのスクリーンショット。

＜浦秋田公式ホームページより＞